私たちの目は、網膜上でピントを合わせ、見ているモノを鮮明に見る事ができます。ピントが合う位置が手前になっている事で、本来よりも近いところにピントがあっているため、遠くのものがぼやけて見えるようになります。
遠視はピントが合う位置が網膜よりも後ろになっている状態により起こります。また、この場合、近くのものにピントを合わせるのが大変なため、目にかかる負担も大きくなり、近くも遠くもぼやけます。
乱視は角膜や水晶体のゆがみにより起こります。これにより、焦点が複数できてしまい一カ所でピントが合わない状態となり、ぼやけて見えたり、二重に見えたりします。
老眼は誰にでも起こり得る老化現象です。目のレンズの役割をしている水晶体が硬くなり、弾性力が低下する事で、近くを見る時に必要なピント調整機能がしにくくなることを老眼と言います。一般的には40歳を過ぎる頃から近くのものを見る際にピントを合わせづらい自覚症状が出ますので、無理をせず眼科に相談してください。
赤ちゃん・小児の場合、自覚症状も少なく、また気になったとしても自分から「見えない」「見えにくい」という事はほとんどありません。お父さんやお母さんをはじめ、身近な人がそこに気づくことが大切になります。
生まれて2~3週間すると目ヤニや涙が出る病気です。涙が鼻へ流れる管の出口に生まれつき薄い膜が張っているために起こる病気で一種の先天異常です。涙が鼻へぬけないので逆流して涙があふれてきます。
視力は、生まれたばかりの時は0.02ほどです。その後いろいろな物を見ることで発達し、3歳ごろ1.0、6歳ごろ1.5になります。弱視は、屈折異常(遠視、近視、乱視)や斜視などが原因で視力の発達が止まってしまい、メガネをかけても良好な視力が得られない状態をいいます。子どもは「見えにくい」と訴えることはほとんどありません。家族の方が日頃から様子や行動を注意して観察していても気付かないことが多いので、3歳になったら屈折検査、視力検査をオススメします。
斜視は、片目の視線が外・内・下のいずれかにずれていることをいいます。原因は屈折異常(特に遠視)、目を動かす筋肉のアンバランスや麻痺などがあります。
斜視は視線の問題だけではありません。視線をまっすぐに保つ筋肉の働きや、両目で同時に見る脳内での働きも弱くなります(あるいは未発達のままになります)。
斜視は現在なくても今後おこることもあるので、家族の方が日頃から視線を注意して観察しましょう。視線がおかしいと感じたら、できるだけ早くご相談下さい。
成長段階である子どもは、身体と同様、眼球も成長をしています。そんな中で近くのものを頻繁に見る事を繰り返す事で、目のピント調整も頻繁に行う事になり、それが原因で一時的に近視状態(仮性近視)になる場合があります。これを放っておくと、近視になってしまいます。当医院では低濃度アトロピン(マイオピン)という点眼薬を使って近視の進行を抑制する治療を行っています。
Ophthalmology2012;119(2):347-54
両方の眼に強い遠視や近視、乱視があり、ぼやけて見えることで、両方の視力の発達が不良となる目の疾患です。
片方の眼に強い遠視や近視、乱視があり、ぼやけて見えることで、片方の視力の発達が不良となる目の疾患です。
斜視によって片方の目があまり使われず、視力の発達が不良となる疾患です。
緑内障は、眼圧が高くなることで視神経が障害を受け、視野が欠けたり狭くなる病気です。多くの緑内障は自覚症状はほとんど無く、視野欠損も両眼で見ている為気づきにくい病気です。
斜視とは両眼の視線を目標に向かって合わせられない状態のことをいいます。視線のずれによって、内斜視、外斜視、上下斜視、などがあります。
糖尿病網膜症は、糖尿病が原因で網膜の細い血管が損傷を受け、視力が低下する病気です。かなり進行するまで自覚症状がない場合もあり、糖尿病の患者さんは見え方などに異常が無くても、1年に1回は眼科受診をするのが望ましいです。
白内障は、水晶体というレンズの役割をする組織が白く濁ってくる病気です。本来透明である水晶体が、年齢を重ねるにしたがって透明さを失っていきます。症状は、ぼやける、かすむ、まぶしい、物が二重に見えるなどです。
加齢黄斑変性は、加齢により網膜の中心部である黄斑に障害が生じ視力が低下してしまう病気です。症状は、視野の中央がよく見えない、ゆがむ、暗く見える、などです。
ドライアイは涙の量が少なくなる目の疾患です。涙は、目の表面に潤いを与え、ホコリやバイ菌の排除などの役割があり、これが量が減る事で機能が低下し、目が乾いた感じ、充血、ゴロゴロとした違和感を感じます。